今回は、私が1LDKのディレクターを務めていた時代から親交のある イラストレーターのNoritakeさんをゲストにお迎えして、初の対談形式でお届けします!
"二人が思う、デザインのあれこれ。"
(Noritakeさん、以下N)
ふとした疑問、いいですか。なんで僕だったんですか?
(南貴之、以下M)
普段あまり対談とか引き受けない人のほうが面白い話ができると思って、頭に浮かんだのがNoritakeさんでした。今は海外でもNoritakeさんのイラストをよく見かけますよね?
N :海外はアジアが多いですね。半年くらい前には台湾でサイン会をやりました(笑)。
M :ほかにも、薬の広告とか、東急線の駅をジャックしたり、大活躍ですね。タッチが独特だから、ひと目でNoritakeさん(が描いた)って分かりますよ!会った時から今のタッチでしたが、昔からこのスタイルなんですか?
N :絵の具を使っていた時代もあります。ただ、ここ10年くらいは、このスタイルですね。はじめは、デッサンが崩れていて、線も乱れているから、(仕上がりが)ゆるくて、不安定というか不細工な出来でした。とても広告に使えるものではなかったけど、今は線が綺麗に描けるようになって、拡大するほど見応えが出て、モロさはあまり出ないようになってきたかなと思います。
M :その綺麗な線も手描きですよね? N :はい。その方が人の心に入っていけるというか...。フリーハンドの線は、(描く人の)生き様みたいなものなので(笑)。パソコンを使って描いたものと違う計算できないラインが、 バグのようになって(人の心の)引っかかりが出てくると思うんです。ペンを握ったら、僕自身は狙って作ろうとはせず、自然に、そして素直に描くように心がけています。ただ最近は、その精度が上がり過ぎていないかと、心配になることもあります。
M :僕もNoritakeさんのように細かいことが好きなので、お店をやっていて、陳列とか、アイテム製作とか、1ミリもズレたくない。
N :僕もズレると嫌なんですけど、結局ズレるんですよ。それが、さきほど話したバグになるので良かったり、良くなかったり。
"シンプルな中に引っかかりがあることが大事!"
M :なんか言っていること分かるなー。
N :だから、線を引く時には、いちいち考えながら進めている感じです。例えば、それがセレクトショップなら、他の店舗で売れたというだけで仕入れるのは良くない。自らの店、そのスタイルに合っているかを考え、検証することが必要ですよね!?
M :適当にやると伝わらないからね。それはこれまでの経験で味わってきました。きれいに置いてあれば良いわけじゃないって。
N :だから僕が手掛けたグッズも、店に合うと思ったモノだけ置いて欲しいんです。
M :新しく手掛けたグッズはあるの?
N :これから、たくさん出ます。ちょうど今、カメみたいなスピードで作っているところです。リリース前なので、まだ細かくは言えないんですけど、詩と挿絵が少し入ったノートとか。あとFreshServiceとのTシャツはそろそろリリースですね。
"Noritakeさんが手掛けた、カートンボーイT "
M :そうでした!かれこれ(Tシャツの)企画が始まったのは一年前くらいになりますね。確か、イラストデザインを見せてくれたのも、この喫茶店でした。
N :面白そうなものは、その場でイメージが湧いてきます。あの時も、FreshServiceだから、箱だと思って。普通ならおしゃれな箱にするけど、ダンボールの方が可愛いな、と。それで"カートンボーイ"を思い付いたんです。
M :可愛いよね、あのキャラクター。とても気に入っています。
N :いつも南さんとの取り組みは、細かな所まで自由にやらせてもらえるので楽しめています。気が早いですが、次に何かやりたいことってあります?
M :色々と考えていることはあるけど、どれがNoritakeさんに響くかな...。Tシャツとはまた違う奇想天外なものをやりたいですね。
N :意味なく大きな壁に広告する、みたいなことは興味ありますけどね。最近、僕の絵って大きくなるほど面白いのかもって思っていて、人通りのある道のどこかに。
M :じゃあ、神宮前にあるウチの事務所の壁はどう!?
N :良いですね、ちょっと考えますね。
M :あっ、あともうひとつあった。最近、張り子が気になっていて(Tシャツにプリントした)カートンボーイを作りたいんだけど、どうかな!? 可愛くない!?
N :立体はいいですね。
M :張り子のヘタウマな感じがカートンボーイと合うと思うんだよねー。今度、また密談しましょう!
6/20[火] イラストレーター・Noritakeさん対談・後編 更新 >>
Noritakeさんが、イラストデザインしてくれたカートンボーイT